特集  羽衣〜高石 下り仮線切り替え

2011年5月20日、高架化の進む南海本線羽衣〜高石にて下り線が仮線に切り替えられました。これにより同区間の仮線移行は完了し、高架橋の建設が本格化していくことになります。

仮線切り替え当日の模様を中心に、時系列順に取り上げていこうと思います。


・2011年5月11日
 下り仮線移行の日程が発表されて10日余り。そして切り替えまで10日。旧線・旧駅舎の記録をする人は全くと言っていいほど見かけず拍子抜けした。 


三角形が特徴的な高石駅の番線案内。南海はもちろん、他社でもこのようなタイプは見たことがない。デザインとしてはいいのだが、角度によっては見づらいのが他駅に普及しなかった理由か?(高石駅 撮影:ムーチョ)


・2011年5月19日
 切り替え前日となる19日。下りホームがにぎわう夕刻、短い時間ながら撮影。跨線橋から 撮影してはみたものの、黄色いケーブルの邪魔なこと邪魔なこと・・・。


生まれてから二十年近く見てきた光景だが、いつの間にか片方のホームが無くなり、こちらのホームもなくなってしまう。大量の帰宅客を乗せた区急が到着。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


すぐ後ろを普通が追ってくる。高石〜松ノ浜の利用客はここで普通に乗り換えることになる。優等が発車してから普通が到着するまでが、ホームの人が最も多くなる時間。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


視線を左に移す。建設中の新跨線橋。ここが完成すると、東口からは一旦線路を跨いで西口からの通路と合流してから改札へ向かう流れになるようだ。ところでこのドアは何のつもりだろうか。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


・2011年5月20日
ついに切り替え当日。23時半過ぎから1時過ぎまで取材。本当は徹夜したかったところだが、翌日朝からでかけなければならなかったので・・・。


23時半頃に羽衣へ。ソラリーは移設のために既に電源が落とされ、解体作業に入っていた。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


 高石へ。仮駅舎の支柱が目立つ。高石・羽衣は白鷺と並んで、南海でもかなり早い時期に橋上駅舎を導入した貴重な駅だったこともあり、個人的には旧駅舎の解体は非常に残念。(高石駅 撮影:ムーチョ)

 
既にサイン類の電源が落とされている下りホーム、そして共用開始に備えサイン類の電源が灯る新ホーム。下りホームの駅名標がCI対応になることはついになかった。(高石駅 撮影:ムーチョ)

 
下りホームの移設と共にお役御免となる改札。元々上下線ともこの改札を使用していたが、上り線の仮線移行の時に仮改札が新設され、最末期はこちらは下り専用となっていた。(高石駅 撮影:ムーチョ)

 
上り仮線移行とともに使用開始した西改札。下り仮線移行後は上下線共にこの改札から入出場することになる。最新型のバーレス改札機が揃っている。(高石駅 撮影:ムーチョ)


自動販売機も移設されることに・・・。商品を一旦全部抜いてから電源を落とし移設する。(高石駅 撮影:ムーチョ)


供用開始に向けて最終調整の進む下り仮ホーム。仮ホームでは内側の2番線が副本線
、外側の1番線が本線という、堺駅をひっくり返したような配線となった。(高石駅 撮影:ムーチョ)


上り終電で羽衣へ戻る。ソラリーは中身が抜かれ、駆動部のみになっていた。なるほど、接近表示の部分が電球2個だったのか・・・。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


最終2本前の普通羽倉崎行きは7129F。吉見ノ里以南と関西空港へ行く電車は既に終わっている。発車案内や接近放送が動作していないためホームには立ち番がいた。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


下りホームより、浜寺公園4号踏切。こちらでは踏切の位置が大きく変更になるため、道路側の停止線などを引き直す作業の途中。作業員が障検に引っかかって上り回送を遅らせてしまうというイージーミス。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


下り最終1本前となる区急羽倉崎行きは1010F。(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


本日の、そして下りホーム最後の列車は8001Fの普通羽倉崎行き。この列車を最後に、下り線は39年の歴史にピリオドを打つ。最後の列車が8000系ということに何か意図的なものを感じるのは自分だけだろうか(羽衣駅 撮影:ムーチョ)


浜寺公園3号踏切へ。終電通過とともに、慌ただしく切り替え作業が始まる。(浜寺公園〜羽衣 撮影:ムーチョ)


軌陸車というものの存在は知っていたが、実際に見たのは初めて。トラックが普通に線路を走っているというのは知っていてもやはり違和感がある。(浜寺公園〜羽衣 撮影:ムーチョ)


つい10分ほど前まで電車が走っていた線路をあっけなく切断。進行現示だった信号が遠方の線路切断によって注意現示になり、そして信号自体の電源が落とされる様子には感極まるものがあった。(浜寺公園〜羽衣 撮影:ムーチョ)


切り替え部。時間が無いので人海戦術で一気にバラストを移す。(浜寺公園〜羽
衣 撮影:ムーチョ)


続いて梯子を掛けて架線周辺の工事。(浜寺公園〜羽衣 撮影:ムーチョ)


ついにショベルカー投入。線路に対応したショベルカーというのもやはり存在は知っていたが実際に見てみるとトラック以上の違和感。「ショベルカー」というより「ショベルトレイン」といったところか。(浜寺公園〜羽衣 撮影:ムーチョ)


全景。正直なところ、何もせずにボーっとしている作業員が意外と多かった。(浜寺公園〜羽衣 撮影:ムーチョ)

 


これにて撤収。翌朝の高師浜線車両の送り込みまで4時間とない時間の中で線路をつけかえるという作業をやりきったみなさんに、一利用者として感謝です。

羽衣駅は自分が生まれた頃から二十年近く利用し続けてきた駅ですが、2004年の西口駅舎解体に始まり、2009年の上り仮線移行と上りホーム解体、そして今回の下り仮線移行と見慣れた光景がここ数年で豹変しています。

今回の下り仮線移行で見慣れたホームがついに全て廃止となったわけで、これから進んでいく高架建設にわくわくしながらも、どこからか寂しさが湧きあがり、撮影しながら涙腺が緩んできていました。

ともあれ旧ホームは橋上駅舎化以来39年間の仕事をようやっと終えたわけで、とにかくお疲れ様、ありがとうと言いたいです。

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