大阪市交70系電車

日本初のリニアモーター性御車 

70系前期車

前期車。前面下部は白地に緑で「7」のアクセントが、貫通扉には「Lim」のロゴマークがある。(長堀橋駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度・・・・・・110km/h
・運用線区・・・・・・長堀鶴見緑地線

70系は鶴見緑地線(現在の長堀鶴見緑地線)開業に際して、日本初のリニアモーター制御の車両として登場した。

リニアモーターというと、浮上して走行し、500km/hを越える速度で走るアレを思い浮かべる方が多いと思うが、それとは違う。この70系は、線路間に敷かれたリアクションプレートから出る磁気と、車体床下についているリニアモーターから出る磁気とを反発させて走行しており、浮上はしない。また、床下のモーターは磁石の塊のため板状であり、円柱状ではない。

このリニアモーター方式によりモーターが板状になることで車両高が低くなる分、トンネルの大きさを大幅に小さくすることが可能になった。この方式は「バスでは厳しいけどフル規格で地下鉄を造るほど儲からない」路線計画を抱える地下鉄事業者にとっては光明となり、このあと都営12号線(現在の大江戸線)・神戸市営地下鉄海岸線・福岡市営地下鉄七隈線・横浜市営地下鉄グリーンラインで採用されたほか、2007年には大阪市でのリニアモーター採用2路線目である今里筋線が開業している。

この70系は1990年の鶴見緑地線開業時、さらに鶴見緑地〜門真南と京橋〜心斎橋の延伸開業(この時に長堀鶴見緑地線に改称)、心斎橋〜大正の延伸開業時の3度にわたって増備され、最終的に4連25本が製造された。

長堀鶴見緑地線ではATOを採用したワンマン運転を行っていて、運転士がドアを閉めてボタンを押すと勝手に次の駅まで走って勝手に止まる。よって運転士の仕事はドアを閉めて発車ボタンを押し、自動放送の起動ボタンを押して、駅に到着したらドアを開けるだけだ。

1〜2次車は前面が白地に「7」のアクセントが入っているが、3次車は黄緑地になっており、容易に区別できる。1次車の一部は、鶴見緑地線開業前に中ふ頭にあったリニアモーター試験線に配置されていた試験車両からの編入車である。制御装置は当時メジャーであったGTO-VVVF制御を採用しているのだが、どうも特殊仕様なのか、同じ音を出して走る車両が国内に存在しない。

車内には2段LEDによる車内案内装置が設置されているのだが、このLED、ドーム前千代崎・心斎橋・大阪ビジネスパーク・門真南の4駅では画面をいっぱいに使って駅付近の名所のイラストが表示される。3色LEDでよく頑張ったなと拍手を送りたいクオリティなので、ご乗車の際はぜひご覧いただきたい。

2010年から大正駅を皮切りにホームドア設置工事が進んでおり、綺麗に車両を撮影するのはもう不可能だ・・・と書こうと思ったのだが、門真南駅だけは所在地が門真市だというだけの理由でホームドアが設置されていない。撮影される方は門真南駅へどうぞ。

70系後期車

後期車。「7」のアクセントの背景が黄緑になった。個人的にはこちらの配色の方が好きなのだが・・・(長堀橋駅 撮影:ムーチョ)


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