大阪市交10系電車

新機軸万歳の意欲作 

10系

10系のチョッパ更新車。現時点では10系の中で最も多いグループ。ラッピングが施されているのは女性専用車両だ。(桃山台駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度・・・・・・70km/h
・運用線区・・・・・・御堂筋線・北大阪急行南北線

10系は谷町線急行運転に備え、1973年に初代20系として製造された車両。谷町線での試運転では好成績を収め、急行運転開始に弾みがついたのだが、地下鉄としては今までにない最高速度100km/hでの運転となることから保線から苦情が続出、結局谷町線急行運転は中止となった。

試験車両であった20系はしばらくの間放置が続いたが、電機子チョッパ制御を採用したこの電車の性能はなかなかのもので、役割を終えた試作車ではあるものの廃車してしまうには余りにももったいなかった。

そこで1974年、10系と改番のうえ御堂筋線に転属、さらに1979年から量産が開始され、御堂筋線の30系の大半を他線区へ追いやった。

1979年時点では8連だったが、1987年に乗客増に伴って9連化、さらに1995年には10連化されるのだが、流石に1995年ともなると製造から時間が経ちすぎているため10系の再製造は難しく、初期編成3本をばらして、先頭車は中間車化改造のうえ第4編成以降に挿入することで10連化を行っている。

1998年から第5編成以降を対象に更新工事が行われ、前面のブラックフェイス化とチョッパ制御であることを示す「ACCC」のロゴマーク設置、車内には床や化粧板の張り替えのほか、ドアチャイム・LEDによる車内案内装置の設置が行われ、新車と見まごうほどに綺麗になった。

2007年にはインバーター化工事が開始された。日立製のIGBT-VVVF制御への改造が行われ、前面には「VVVF」のロゴマークが設置、車内も98年からの更新車に準じた内容で大規模な更新が行われた。未更新の編成の更新工事はもちろん、98年から行われている更新工事を受けた車両のインバーター制御への再改造も行われている。この改造を受けたインバーター車は10A系と改番されたが、車番の変更はない。

第4編成はいずれの更新工事の対象ともならずに他編成への一連の更新工事終了とともに廃車となる予定で、既に代替となる21系は1998年に製造されている。

10A系

インバーター改造を受けた10A系。前面に白細帯が2本ついていることから容易に区別できる。(西中島南方駅 撮影:ムーチョ)

●走行音

・1118F#1008(天王寺行き) 動物園前〜天王寺 (1min51sec 1.7MB)
…インバーター改造車10A系の走行音です。幾度となく乗っているのですが、この車両からこの音には未だに違和感。


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