南海7000系電車

海を渡ったせいで寿命が縮んだ・・・ 

7000系

関西空港線の開業から一気に老朽化が進んだ。準急は平日朝4本しか設定のない珍列車だ。(萩之茶屋駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度 120km/h
・運用線区・・・・・・南海線・空港線・和歌山港線
・元運用線区・・・・加太線・多奈川線・天王寺線

1000系は1963年に登場した通勤型電車。普通から急行、特急、さらに「サザン」の自由席車など、「ラピート」を除く全ての運用に就くことができる。

この時期の車両としては平凡な普通の抵抗制御の通勤車なのだが、この電車は超多段バーニア制御を採用していて、起動時の進段の衝撃が少なくなった。その代わり、低速でノッチオフした場合(始発駅や待避線からの出発時など)の衝動が極端に大きいことや、制御期の接点数がかなり多くなるため、メンテナンスに手間がかかることが欠点だ。

1983年、更新工事が施されるのだが、この時にかえって使いづらい仕様になってしまう。

まずパンタグラフを菱形から下枠交差形に変更。さらに冷房化を行った。ここまではいいだろう。

問題は足回りの更新にある。この電車、4連の場合だと両先頭車が制御器・CP・MG・パンタグラフ搭載のM車だったのだが、更新工事の際にこれら機器類を難波方先頭車のそれに集約し、1C8M(1台の制御器にモーター車2両、いわゆる「ユニット方式」)化された。

これにより、「営業運転の際は編成中に制御器・CP・補助電源装置が2台以上」という南海の原則に反することになり、4連単独運転ができなくなった。無理して走らせてみたら本当に故障して自力走行不能になったのだからシャレにならない。

4連単独運用ができないことから、老体に鞭打って急行・特急・サザン自由席車の優等運用に入ることが多く、普通は7割方4連なので、7000系が充当されることはさほど多くない。

せっかく更新工事をしたのに、関西空港への乗り入れ開始で潮風にやられて一気に車体がダメになってしまい(そりゃ鉄の塊に海の上走らせたら錆びるでしょうに)、必死に1000系を造りだしたらバブル崩壊で金がなくなり、なんとか超安物の8000系を造りだしても4本で増備ストップという笑えない状況。とにかく、早急な置き換えが望まれる。

●走行音

・7037F#7038(サザン 和歌山市行き) 天下茶屋〜堺 (5min31sec 5.0MB)
…走りが必死です・・・wここ数年、サザンの女性車掌率が上がっています。でも契約社員という・・・ね。


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