南海6200系電車

6000系列安物仕様 

6200系

平面的な顔つきに変わり、冷房装置も変更された。(天下茶屋駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度 120km/h(インバーター化改造車は130km/h)
・運用線区・・・・・・高野線(なんば〜橋本)・泉北高速線

1974年に登場した通勤型電車。21m車のため、高野線橋本以北と泉北線のみでの運用に限定される。

6000系・6100系を頑丈に作りすぎた事に気付いたのか、この6200系ではやや手を抜いた構造になっている。

1台の制御器で2両のM車を制御する1C8M方式の採用(これにより4連単独運転はできなくなった)、さらに超多段バーニア制御をやめて一般的な抵抗制御を採用するなど、コストダウンを意識した機器構成になったほか、6000系・6100系でみられた前面上部の丸みを廃止して、まさに「箱」形の車体とすることで、さらなるコストダウンを目指した。

当初からミンデン台車を採用したため、冷房改造後の6000系とは併結可能だが、6100系とは不可能だった(後に6100系の6300系化で可能になる)。

6200系最初の転機は2001年に訪れる。

当時高野線には、電機子チョッパ制御を採用していた8000系(先代)が6連1本のみ在籍していたが、異端車であることや経年で制御器故障が相次いだため、抵抗制御に改造されるという技術的には「退化改造」を施されて6200系に編入された。この8000系の車体は6200系とほぼ同一設計であることから特に問題はなく、車番は生え抜きの6200系の続番で6521Fとされた。

この6521Fは6200系編入時に更新工事を施され、前面にはスカートが取り付けられたほか、ブレーキ緩解音も他の車両とは異なることから、他編成とは容易に区別できる。

だが、このあと長らく、6501Fで床材張替えが行われたほかは全く手が入れられず、6200系は他の6000系列各車と違い、更新工事を受けないまま製造から30年余りが経過していた。

さらなる転機が2008年に訪れる。

2009年、6511Fがインバーター制御化と車体更新を受けて出場した。この際、1C4M化されたため晴れて4連単独運転が可能になった。

ただ、インバーター化という大きな目玉工事はあったものの、更新工事実施の発表の「南海本線にて運用されている8000系(ここでは2008年デビューの車両を指す)と同等の内装にする」という意気込みはどこへやら、お決まりの前面スカート取りつけ以外は外観はほとんど変化せず、車内もドアエンジン換装、LEDによる車内案内装置装備、床材張替え、スタンションポール設置、ドア閉め時の自動放送設置程度に留まり、当初計画と比べるとかなりおとなしめな改造内容になっている。

大きめの更新を受けたものの、ブレーキ方式は変更されていないため、未更新の6200系をはじめ、6000系・6300系とも併結運転が可能である。

2010年にはインバーター化改造車2本目として6507Fが改造を受けた。この後も6200系には順次更新工事が行われていく予定だ。

6200系6521F

旧8000系の6521F。前面にスカートが付いたのが外見上の大きな特徴だ。(我孫子前駅 撮影:ムーチョ)

インバーター化された6511F

インバータ化改造が行われた6511F。スカートがついたほかは外観に大きな変更点はない。(住吉東駅 撮影:ムーチョ)

6507Fによる南海本線での試運転

6511Fが更新入場していた2009年3月、当時まだ未更新だった6507Fが南海本線で試運転し、和歌山市まで乗り入れた。
現在はこの6507Fも更新工事を受けてインバーター制御化されている。(岸和田駅 撮影:ムーチョ)

●走行音

・6511F#6215(各停 河内長野行き) 三国ヶ丘〜北野田 (11min58sec 9.6MB)
…インバーター改造を受けた6511Fの走行音。8000系(2代目)と同じく、日立IGBTなのですが、ブレーキがHSC-Rのままというのが特徴的です。戸閉め前の自動放送は山側・海側で女声・男声と使い分けられています。


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