南海2000系電車

悲運の都落ちズームカー 

2000系

大運転列車が減り、橋本以北のみでの運用も増えた2000系。(住吉東〜我孫子前 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度…100km/h(高野線) 110km/h(南海線・空港線)
・運用線区・・・・・・南海線・空港線・高野線

★高野線仕様
2000系は1990年に登場した通勤型電車。

急勾配・急曲線の続く高野線の橋本〜極楽橋に乗り入れるため、車体長17mで製造された。橋本以北は通勤路線であるのに対し、橋本以南は山岳ローカル線であるため、その両方に対応していることから、その広範囲に対応しているさまをズームレンズに例えて「ズームカー」と呼ばれる。

老朽化していた21000系・22000系を置き換えるために登場したものの、当初は21000・22000系と併結する前提であったのだが、いざ連結してみると相性が悪く、急行・特急の金剛停車開始もあいまって遅延が常態化、結局21000系・22000系を全て置き換えた。

2005年のダイヤ改正で2300系がデビュー、なんば〜極楽橋を直通していた急行は昼間毎時1本橋本で分断され、橋本〜極楽橋の各停は2300系によるワンマン運転となった。そのため、ワンマン運転に対応していない2000系は半数以上が余剰となり、長期留置が続いた。

2007年には4連5本、2連2本が南海線に転属し、南海線で普通運用限定で運用開始した。

南海線に転出した後でも余剰気味な状態が続き、橋本以南へ乗り入れない列車での運用も多い。また、多客期に運転される高野山への臨時特急にもこの電車が使用される。

また、2044Fがこうや花鉄道ラッピングとして、地元の小学生による絵がラッピングされている。

2000系こうや花鉄道ラッピング

こうや花鉄道ラッピング編成(2044F)。(堺東駅 撮影:ムーチョ)

★南海線仕様
2005年のダイヤ改正で余剰になった高野線の2000系のうち、2007年に4連5本と2連2本(つなげて4連扱い)が 南海線に転属し、普通運用限定で運用開始した。

南海線での2ドア一般車は旧1000系以来約30年ぶりだったため、識別のために助士席側に2扉車の大きなステッカーが貼られた。また、山岳区間を走行することがないため、その代わりに最高速度が10km/h向上される。

6本に対して6運用であり予備がないため、 検査時などは4ドア車4連で代走される。もっとも、検査時でなくても代走は頻発している。また、混雑を防ぐために朝ラッシュの下り、夕ラッシュの上りに重点的に充当されるため、固まって走ることが多い。時刻表にも四角囲みで書かれているため、すぐに区別することができる。

方向に関係なく混雑する正月三が日などは2000系運用列車の全てが4ドア車で代走となり、終日車庫で待機している。

2000系南海線仕様

南海線の2000系。助士席側の2扉車のステッカーが目立つ。(羽衣〜高石 撮影:ムーチョ)


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