南海10000系電車

典型的なビジネス特急車・・・置き換えも近し 

10000系

光景の12000系の製造が決定、いよいよ置き換えのカウントダウンが始まった。(堺駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度…120km/h
・運用線区・・・・・・南海線・空港線・和歌山港線

10000系は1985年に登場した特急型電車。南海線の特急車であった旧1000系を置き換えるために製造された。

同時期には既に界磁チョッパ制御・電気指令式ブレーキの9000系が製造されていたが、この10000系は置き換え対象であった旧1000系から機器を流用して製造されたために抵抗制御・電磁直通ブレーキのままであり、結果的に7000・7100系との併結運転を可能にした。

なんば〜和歌山市・和歌山港を結ぶ特急「サザン」で運用される。難波方に自由席車として7000・7100系4連を連結し、一部座席指定の特急として運転される。この方式は南海以外では名鉄が実施しているのみで、全国的にも極めて珍しい。

製造当初は2連であり、自由席社込みで6両編成での運転だったが、後に中間車が製造されて4連となり、合計8両編成での運転となった。

この追加で組み込まれた中間車が曲者である。

後期車である10007F〜10010Fに対しては普通に中間車が新造されて組み込まれた。この中間車は側面窓が大きな連窓になっているほか、方向幕も種別と行先が分かれたものになっているのが特徴だ。(写真も中間新造車の編成)

前期車である10001F〜10003Fには中間車の組み込みが行われなかったどころか、自身が運転室を撤去されて中間車に改造されてそれぞれ10004F〜10006Fに組み込まれた。これらの中間車は先頭車同様中間車も個別に分かれた窓になっていて、方向幕も種別行先一体型であることから容易に区別できる。

結果的に現存するのは10004F〜10010Fの4連7本である。

ちなみに、初期に製造されたグループと4連化時に新造された中間車とでは座席中央の肘掛があったりなかったり、テーブルがあったりなかったり、フットレストがあったりなかったりと車内のグレードに大きな差がある。

1次車でさえ製造から25年ほどではあるのだが、機器を先代から流用していることもあって老朽化は激しく、2010年の株主総会で後継の12000系の製造が発表された。


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