近鉄8000・8400・8600・8800系電車

奈良線の古豪 

8000系

阪神なんば線開業により、奈良線で目にする機会はかなり減った。(河内小阪駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度 110km/h
・運用線区・・・・奈良線・京都線・橿原線・天理線

★8000系
8000系は1964年に登場した通勤型電車。新生駒トンネルの開業に合わせ、900系をベースに製造された。

2連2本、3連2本、4連7本が在籍し、電算記号は2連はE、3連B、4連はL。シリーズ21の増備にともなって初期車から廃車が進んでいる。現在在籍している車両は全ての車両がB更新工事を実施、さらに2連2本を除いた全ての編成が界磁位相制御化工事を受けており、老朽車ながら回生ブレーキを使用可能である。

2009年の阪神なんば線開業に伴い、直通運転に対応できない8000系は奈良線での運用が激減、阪神線に直通しない普通・準急・急行と朝の一部の快速急行でのみ運用されるのみは基本的に京都線や橿原線で見かける機会が多い。

ちなみに、8059Fは1972年に菖蒲池付近を走行中に爆破され(ちなみにこの事件は未解決のまま)、1967年に8069は号車は8167号車として8600系に、8559号車は8459号車として8400系に編入された。

8400系

阪神なんば線への乗り入れが出来ないため、京都線・橿原線での運用に偏りがちだ。(西ノ京駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度 110km/h
・運用線区・・・・奈良線・京都線・橿原線・天理線・田原本線

★8400系
8000系は1969年に登場した通勤型電車。8000系をベースに長編成向けに機器配置を見直した。電算記号は4連がL、3連がB、2連がE。

登場当初は非冷房だったが、1978年から冷房改造が行われたほか、8000系同様2連車以外は界磁位相制御に変更されている。また、8000系とこの8400系の前期車は4連を組成する場合、Tc-M-M'-Tcとなっていたが、後期車ではMc-T-M-Tcという組成に変更されている、この組成は8600系以降5800系まで踏襲される組成パターンとなる。

4連・2連は奈良線・京都線・橿原線・天理線で運用されるが、2009年の阪神なんば線開通以降は直通に対応していない8400系は、奈良線での運用が激減した。

3連は1992年にワンマン改造を行い田原本線での運用が主になっているが、3連を2本つなげての6連や、ごくたまにだがそこに2連を併結した8連や10連で運用されることもある。

モ8459は8000系のク8559(爆破事件被災編成)からの編入車であり、車両連結面が丸みを帯びている(要は先頭車の形)ので外から見ても容易に判別できる。

8600系

奈良線所属の車両は全編成が阪神線直通対応改造を受けている。写真の阪神相直ラッピングは現存しない。(河内小阪駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度 110km/h
・運用線区・・・・奈良線・京都線・橿原線・天理線

★8600系
1973年に登場した通勤型電車。8400系をベースに新製冷房車として登場した。6連が1本だけ在籍する以外は全て4連である。

クーラーキセの形状が変更(8400系までの車両は車両中央部で大きく凹んでいたのに対し、8600系では水平)になったことから他系列とも容易に判別できる。

4連の組成も8400系後期車を踏襲してMc-T-M-Tcとなった。1982年に4連4本が界磁位相制御に改造されたが、イマイチ省エネ効果は高くなかったらしく、それ以上の改造は行われなかった。このため、ほとんどの車両が抵抗制御のまま残っていることも大きな特徴だ。

B更新が進行中であること、また8400系以前の車両と違って新型ATS・デッドマン装置も順次設置されていることから当面は継続使用される予定である。


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