近鉄21000系電車

こう色あせない電車も珍しい 

21000系

登場から20年経った今も近鉄特急の看板列車の座を保つ。(大和八木駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度 130km/h
・運用線区・・・・奈良線・京都線・大阪線・名古屋線・山田線
・元運用線区・・・鳥羽線・志摩線

21000系は1988年に製造された特急型電車。電算記号はUL。名阪間をノンストップで結ぶ「アーバンライナー」のために製造された。

東海道新幹線の開業後、完全にその存在を失っていた名阪特急だが、国鉄の相次ぐ値上げやサービス低下によって近鉄特急にも乗客が戻り始めていた。そこで戻ってきた客を取り逃がすまいと製造されたのがこの21000系だ。

特急車としては初めての6連固定編成で製造され、またこれも初採用となるJRのグリーン車に相当するデラックスシートを設置。価格も割安に設定し、時間は新幹線の倍かかるものの、新幹線の半額程度でグリーン車レベルの座席に座れるとあって人気は爆発、多客期には増結車2連を中間に挟んで8連で運転されるようになった。

また、新青山トンネル内の一部区間のみとはいえ、近鉄で初めての130km/h運転を行うなど、それまでの壁をいくつも打ち破った車両である。

既に1420系をはじめとしたインバーター車が多数運転されていた近鉄にあって、この21000系では旧来の抵抗制御を採用。これは、あまりに走りっぱなしになるので、インバーター制御を採用したところで省エネ効果があまり期待できない(回生ブレーキを使用する機会が少ない)うえ、看板列車である名阪甲特急に充当するため、新機軸を採用してコケるとシャレにならないということからであった。ただ、6両全車が電動車、設計最高速度は170km/h、130km/hまでの加速に要する時間が59秒という、怪物的な性能となった。

2003年より、更新工事中の予備車として21020系2本を製造したうえで更新工事が行われた。座席は21020系と同等のものに変更され、貫通路上部にLCDによる車内案内装置を設置した。また、編成中3箇所に喫煙コーナーを設置したうえで全席禁煙とした。この更新工事の際、車内販売サービスが廃止されていたために車販準備スペースも撤去されたが、2009年から車内販売が再開された。この際1号車の喫煙コーナーを閉鎖して車販準備スペースに転用されている。

現在も名阪甲特急を中心に運用されているが、間合いで名阪乙特急に、さらに阪奈特急や名伊・阪伊特急(といっても宇治山田まで) にも充当される。一時期は伊勢志摩ライナーとして賢島までの運用もあった。


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