近鉄1010系電車
登場時は吊りかけ駆動だった・・・
元は奈良線系統の車両であるため、裾絞りのある幅広車体が特徴だ。(近鉄四日市駅 撮影:ムーチョ) 1010系は1972年に京都線・橿原線用に登場した通勤型電車。 一部機器を廃車から流用(モーターは600系からの流用)のため、製造当初は吊り掛け駆動で、電気ブレーキすら装備されていなかった。 ただ、台車は将来の更新工事に備えて新造されており、そのままカルダン化された現在も使用している。 電算記号(他社で言う編成記号)はTで、3連5本が在籍する。 車体は同時期に製造された奈良線の8400系のものと同等で、車体間の貫通路も幅が広いものになっている。 1982年に冷房化が行われ、ようやくカルダン駆動方式に改造、その際に制御方式も抵抗制御から界磁位相制御に変更された。しかし、抑速ブレーキは未装備のままである。この抑速ブレーキ未装備というのはすなわち青山越えができないということであり、運用範囲がかなり限定される。 製造から15年が経過し、京都線・橿原線での3連での運用が減少したため1987年から1988年にかけて全車が名古屋線に転属した。 その後2006年にはB更新(延命工事)が行われた。この更新工事は大阪線の高安研修センターで行われた。更新工事を受けるためには名古屋線から青山峠を越えて高安に行かなければならなかったわけで、抑速ブレーキを装備していない車両が新青山トンネルを自力で越えるのは極めて異例のことだった。
●基本データ
・最高速度 110km/h
・運用線区・・・・名古屋線・山田線・鳥羽線・鈴鹿線
・元運用線区…湯の山線
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