321系通勤型電車

207系の後継車・・・だが、乗客からも乗務員からも不評な電車 

321系

上淀川鉄橋を渡る321系。ブレーキの甘さから乗務員には不評だ。(新大阪〜大阪 撮影:ムーチョ)

●基本データ
・最高速度 120km/h
・運用線区・・・・東海道・山陽緩行線・福知山線・JR東西線・学研都市線・湖西線

2005年に登場した通勤型電車。東海道・山陽緩行線の高速化により201・205系を置き換えるために製造された。 7連39本が投入され、東海道・山陽緩行線の201系は大阪環状線・大和路線に、205系は阪和線に転出した。その製造年からお分かりいただけるように、この321系は福知山線脱線事故の直後のデビューとあってメディアからも非常に注目された。報道では「脱線事故を受けて、車両の重心を低くするためにモーター車を多く連結し、7両中6両がモーター車になった」とされていたが、このような極端な組成とすることは脱線事故前に既に決まっていたことであり、本件に関するメディア各社の報道は完全な誤報である。

また、「6M1T」という表記そのものにも誤りがある。321系は2台の台車のうち、1台のみにモーターを装備したいわゆる「0.5M」方式を採っており、実際は「0.5M×6両」と1両のサハなので、編成中のモーターの数は脱線事故当該の207系と同じ3M4Tである。(0.5M×6のため、小文字のmを用いた「6m1T」と表記されることが多い)

当時まだあまり普及していなかったLCDによる車内案内装置を設置するなど、なかなか気合の入った電車に仕上がってはいるが、207系と比べて座席が格段に硬いことや新規採用した床材がわずか1年半余りで大きくめくれ上がっていて見苦しいこともあって乗客からの評判は今ひとつ、さらに長編成における初めての0.5M方式の本格採用と言うこともあってか207系より空転が多発する上に回生ブレーキの効きが甘いことから乗務員からも不満が噴出、早々にブレーキ改修工事を施されるという結果になった。床材といい0.5M方式といい新機軸が裏目に出てしまった形になる。

関西地区では321系投入後も老朽103系が残存し、一刻も早い通勤型電車の新製投入が待たれるところではあるが、321系増備の話も新系列通勤型電車製造の話も聞こえてこず、103系の置き換えに223系を投入するという無理矢理な置き換えが続き、よほど321系の出来が悪かったかを自ずと証明する結果になってしまっている。

●走行音

・クモハ321-3(普通 加古川行き) 尼崎〜甲子園口 (5min29sec 5.2MB)
…個人的には日本一速い各駅停車だと思っている東海道・山陽緩行線。早朝限定の4ドア車による普通加古川行きでロングラン運用をこなします。


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