313系近郊型電車

東は熱海、西は米原、北は長野までカバーするJR東海のスタンダード

313系3000番台

ワンマン仕様の3000番台。JR東日本区間にも多数乗り入れ、長野まで足を伸ばす。(松本駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ
・最高速度・・・・130km/h
・運用線区・・・・東海道本線・御殿場線・中央本線・関西本線・飯田線・身延線

1999年に登場した近郊型電車。JR東海管内の国鉄型電車を一掃する目的で製造された。

基本仕様の0番台(4連)と増結用の300番台(2連)は東海道本線の優等列車に投入された。311系に引き続いて3ドア転換クロスシートの内装を採用、これにより新快速・快速からそれぞれ311系・117系を追い出した。311系は211系に混じって名古屋地区の普通列車に転用、117系は昼間定期運用を失って朝ラッシュに数本が運用されるのみとなり、熱田駅構内で長期間の留置が続いた。

当時、311系はまだ製造から10年程度しか経過しておらず、まだまだ第一線で活躍できるクオリティを維持していたが、必死に120km/hを出す311系と、余裕で120km/h、本気を出せば130km/hで走れる313系を比べれば、わずか10年とはいえ優等列車に新車を入れたくなる気持ちも分かる。

同時期に名古屋地区の中央本線に1000番台(4連)と1500番台(3連)が、中央本線の中津川〜塩尻の165系置き換えとワンマン化、関西本線のワンマン化、そして御殿場線・身延線のワンマン化のために3000番台が投入される。 1000・1500番台は転換クロスシート(車端部はロングシート)、3000番台は従来の近郊型電車のような3ドアセミクロスシート配置となり、シートモケットもそれまでの青から淡い緑に変更になった。

特筆すべきは8000番台。中央本線の名古屋〜中津川にて運転される「セントラルライナー」用に製造された。この「セントラルライナー」は通常の313系と373系を足して2で割ったような内装・・・つまり豪華仕様近郊型電車となり、乗るには乗車整理券を購入する必要がある。ただ、いくら豪華になったとはいえやはり転換クロスシートであり、リクライニングもできないためか、「銭取られるライナー」と揶揄されることも多い。

ここまでの製造で165系の全車と一部の113・115系の置き換えに成功した。

313系5000番台 

現時点での313系の花形である5000番台。外観ではフルカラーLEDが目立つ。(名古屋駅 撮影:ムーチョ)

ここで終わらないのがJR東海。更なる国鉄型置き換えを目指し、2006年に313系増備を再開。2006年増備車の共通の特徴としては、種別表示器にフルカラー、行先表示器に白色のLEDを採用したこと。ドットも細かく、夜間の視認性向上に一役買っている。

東海道本線名古屋地区には快速用に5000番台が投入される。5000番台は6連固定で製造され、車端部やドア横も含めた全ての座席が転換可能となった。その代わりに座席定員が若干減っている。これで313系前期車・・・つまり、0番台・300番台による快速運用が激減、これらは名古屋地区の普通列車に回ることが多くなった。よって名古屋地区の普通列車は313系または311系にほぼ統一され、211系は静岡地区に転出。113系の置き換えに回っている。

東海道本線静岡地区には名古屋からやってきた211系の他に313系が直接投入された。こちらは2000番台を名乗っている。特徴は313系としては初めてロングシートが採用されたこと。18きっぱーを中心に非難轟々だったが、個人的には基本的にトイレのない211系よりはマシだと思っている。

続いて中央本線名古屋地区には1100番台(4連)と1600番台(3連)が投入される。中央本線ではこの1100・1600番台投入まで113系が名古屋まで顔を出していた。それらの置き換えはこれらの313系直接投入となった。座席配置は1000・1500番台と変わらず、車端部のみロングシートの転換クロスシートとなっている。

飯田線には1700番台が投入され、115系にて運転されていた飯田線から辰野・塩尻経由で長野までを結ぶ快速「みすず」を置き換えた。ちなみにこの「みすず」にはJR東日本長野総合車両センターの115系も充当されるため、115系による「みすず」が全滅したわけではない。天竜峡から北への運用が多く、また3連3本で製造が終了しているため、 飯田線南部区間で見かける機会が少ない。

身延線・御殿場線にはワンマン運転対応の3100番台が投入された。3100番台は身延線の115系・123系を置き換えた。3000番台と共通運用され、内装も3000番台と同じセミクロスシートとなっている。

また、2010年には東海道本線の117系や飯田線の119系置き換えのための更なる増備が計画されており、近い将来、JR東海の国鉄型電車は211系0番台4連2本のみになる見込みだ。

313系1600番台 

313系の花形である1600番台。短期間で113系を一気に置き換えた。(名古屋駅 撮影:ムーチョ)


・国鉄・JR近郊型電車トップページ
・鉄道車両図鑑トップページ    
・Hanwa Network Stationトップページ

inserted by FC2 system