283系特急型電車

出来はよかったんだけど・・・なぁ

283系

283系。乗客の評判はよかったのだが、わずか18両で製造を終了する。(今宮駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ
・最高速度 130km/h
・運用線区・・・・東海道本線・大阪環状線・阪和線・紀勢本線

1996年に登場した特急型電車。老朽化の色が見えていた381系「くろしお」の置き換えのために登場した。イルカを イメージした前面デザインを採用したほか、塗装も海と砂浜をイメージして南紀特急らしい塗装となった。(これは当時 国鉄色ばかりがのさばっていたことを考えるとかなり斬新な試みである)

当初は、「くろしお」系統の特急であることを示すために「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」と命名されたが、愛称が定着してくると「オーシャンアロー」に改称された。これは北陸特急の「サンダーバード」でも用いられた手法だ。

制御振り子装置を採用しており、「ゲロしお」とまで呼ばれていた紀勢特急の乗り心地を大幅に改善し、観光客のイメージアップに貢献した。

しかし、製造からしばらくして振り子装置の故障が相次いだことや、インバーターの誘導障害で信号機器の故障が相次いだほか、その電磁波の威力は線路沿いの民家まで及んだ(線路沿いの家では283系が走るとテレビが映らなくなったそうだ)こともあり、製造は基本6連、付属3連2本ずつのわずか18両で終了。その車両数ゆえに運転は1日3往復  のみとなにやら影の薄い電車になってしまった。

本当は同じく381系が使用されていた「やくも」にもこの283系が投入される予定だったことを考えると、この時のJR上層部の落胆は相当なものだっただろう。(ちなみにこの計画変更のせいで381系は「くろしお」・「やくも」共にリニューアルのうえ継続使用となった)

基本的に6連での運転であり、週末やゴールデンウィークになると付属3連が増結されて9連で運転される。また、基本編成が検査で入場した場合や事故などで使用不能になった場合は付属編成同士2本をつなげて運用される。

基本編成では新宮方にパノラマグリーン車を連結しているが、付属編成には京都方にグリーン車があるため、付属編成同士が組んだ場合は編成中のグリーン車の位置が異なることから特急券を買う時に容易に判別できる。


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