207系通勤型電車

国鉄初の VVVFインバーター制御車は影が薄い

207系900番台

常磐緩行線の207系900番台。2009年12月に引退した。(亀有駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ
・最高速度 900番台・・・110km/h    0・1000・2000番台・・・120km/h
・運用線区・・・・東海道・山陽緩行線・福知山線・JR東西線・学研都市線・おおさか東線・大和路線・湖西線・和田岬線
・元運用線区…常磐緩行線・東京メトロ千代田線

1986年に登場した通勤型電車。VVVFインバーター制御の試験車として10連1本が製造され、203系と共に常磐緩行線〜営団地下鉄(現:東京メトロ)千代田線の直通運転に使用される。試験車のため900番台を名乗る。

日立・三菱・東芝合作のGTO−VVVF制御を採用していて、この1編成が国鉄にとって最初で最後のインバーター制御車となった。JR化後も増備は全く行われず、首都圏の101・103系置き換えは兄貴分にあたる205系によって達成される。

20年余りの間にわたり、1本だけの常磐緩行線の珍車として目立っていた207系だが、在籍が1編成のみであるが故に保守に手間がかかることから先輩である203系よりも先に置き換えが決定、後継となるE233系2000番台に置き換えられる形で2009年12月に引退した。

ところ変わって関西にも207系が存在する。

関西の207系は1991年からJR西日本によって製造されたれっきとしたJR形電車だ。JR西日本では205系の製造を1000番台4連5本のみで打ち切り、後継となる通勤型電車の製造を計画していた。関東の207系が増備される様子がないことから形式名を207系とすることを決定、また関東の207系は900番台を名乗っていて、0番台が空いていることから207系のトップナンバーは後発のJR西日本車が名乗っている。

最初期に投入された207系0番台は三菱製のPtr−VVVF制御装置を、その後増備された1000番台は東芝製のGTO−VVVF制御装置を、4+3連への組み替え時に増備された2000番台では東芝・三菱製のIGBT−VVVF制御装置を搭載、JR西日本では東海道・山陽緩行線を軸にJR東西線・福知山線・学研都市線・湖西線・おおさか東線・大和路線で幅広く運用され、関西各地でその姿を見ることができる。

207系

JR西日本の207系。0番台・1000番台・2000番台も外見の違いはほとんどない。(岸辺駅 撮影:ムーチョ)

207系F1編成

JR西日本の207系トップナンバー。この編成のみ7連貫通で、電気連結器を装備していないのが特徴。(甲子園口駅 撮影:ムーチョ)

●走行音

・モハ207-37(快速 大阪行き) 西宮名塩〜宝塚 (3min53sec 3.6MB)
…JR東日本の209系のそれと酷似していることから、「西の209系サウンド」と言われることも多い207系0番台の走行音。しかし、209系はGTO-VVVF、207系0番台はPtr-VVVFなのでそもそも仕組みが違います。


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