117系近郊型電車

初の新快速専用電車だがその活躍は短命に終わる

117系新快速色

117系の基本色である新快速色。京都地区の117系は全てこの塗装だ。(安曇川駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ
・最高速度 110km/h(JR西日本在籍車は115km/h)
・運用線区・・・・東海道本線・草津線・湖西線・山陽本線・紀勢本線・和歌山線・桜井線
・元運用線区…福知山線

1979年に試作車が、登場した近郊型電車。当時、京阪神間の新快速には山陽新幹線岡山開業で余剰となった急行型の153系が使用されていたが、急行型ゆえにデッキなどの無駄なスペースが多く、ラッシュには対応できず、並行私鉄との競争もあって新快速専用の新車を投入することとなった。これが117系だ。

この117系は201系と同世代であるものの、制御方式は従来の抵抗制御を踏襲、201系の兄弟車というよりも113・115系の発展系である。

内装はデッキレスの2ドア転換クロスシートとなり、乗客からも好評のもとに受け入れられ、新快速の混雑もいくぶん緩和された。しかしJR化後いっそう混雑が激しくなったこともあり、1989年には後継となる221系が投入され、117系は登場からわずか10年余りで本職の新快速の任を解かれることとなる。

余剰となった117系は京都・福知山・岡山・和歌山地区へと散った。福知山線には一部の座席をロングシートに改造した300番台が転属、しかし2005年の福知山線脱線事故後、ATS-Pを装備していない117系は下関地区へ転属となった。

JR東海に継承された117系はほとんど手をつけられないまま東海道線の快速として使用されるが、こちらも2ドアゆえに詰め込みが効かず、311・313系に押し出される形であっという間に運用を失い、熱田駅構内に長らくの間放置されていた。     最後は東海道線の大垣〜米原の区間列車を主な活躍の場としていたが、2009年に313系の追加投入が発表され、2013年、ついに定期運用から引退となった。

117系300番台後期車

後期に製造されたグループは側面窓が1段下降式に変更になっている。(長府駅 撮影:ムーチョ)

117系300番台福知山色

福知山色の117系。福知山色の車両の原色化が進み、この色の117系は下関の4連1本のみ。(長府駅 撮影:ムーチョ)

117系サンライナー色

岡山地区の117系。主に岡山〜福山の快速「サンライナー」に充当される。(中庄駅 撮影:ムーチョ)

117系オーシャン色

和歌山地区の117系。283系に合わせた塗装となり、紀勢本線・和歌山線・桜井線で運用される。(高井田中央駅 撮影:ムーチョ)

117系JR東海車

JR東海の117系。313系の増備により2013年に引退となった。(名古屋駅 撮影:ムーチョ)


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