105系通勤型電車

ローカル線向けの103系1M仕様だが・・・

105系桜井・和歌山線

桜井・和歌山線の105系。103系1000番台からの改造車。(橋本駅 撮影:ムーチョ)

●基本データ
・最高速度・・・・100km/h
・運用線区・・・・桜井線・和歌山線・紀勢本線・福塩線・山陽本線・呉線・可部線・宇部線・小野田線
・元運用線区…仙石線・奈良線・関西本線

1981年に登場した通勤型電車。まだ旧型国電が多かった地方線区への新性能車の投入を目的に製造された。

当時の新性能車はモーター車2両でユニットを構成するため、2連を組成する場合2両ともを電動車とする必要があり(JR化後に関西各線に登場した103系の先頭車化改造車などがまさにそれ)不経済だった。そこで、全ての走行機器を1両のモーター車に積み、1M1Tの2連を組成可能とした電車が105系である。走行機器は本気で1両に詰め込んだため、折り返しを考慮しないのであればクモハ1両だけで走行することも可能であり、それはつまり、両運転台化すれば単行運転もできるということになる。走行機器は基本的に103系と同じであり、まさに103系のコストダウン・1M仕様というにふさわしい造りである。

初期に製造された編成は足回り・車体共に新造で片側3ドアになっており、現在は紀勢本線の紀伊田辺〜新宮と福塩線・広島地区各線で運用中。この105系はローカル線の救世主として全国各地に投入されていく・・・はずだった。

ところが、当時の国鉄財政は火の車。103系コストダウン仕様の105系ですら製造し続ける体力のなかった国鉄は、105系を足回りのみに切り替えて車体は当時203系の投入で余剰となっていた103系1000番台のものを流用しての製造とした。103系車体のものは片側4ドアであり、純正105系と103系改造の105系とを見分ける大きなポイントになっている。この4ドア車は現在、桜井・和歌山線や広島地区各線で運用中。

一部の105系は103系0番台からの車体流用のものもあり、これらの前面はまさに103系。これらは仙石線と広島地区各線に投入された。しかし、寿命という意味では劣っており仙石線では103系よりも早い1998年に引退、広島地区でも2007年に引退している。

ちなみに、上の写真の105系は一見非冷房に見えるが、WAU202という冷房装置を積んでいる。これはバスに使用されているのと同じ形のもので、冷房能力はそれこそバス相応、窓を開けているほうが涼しいという酷いもの。冷房といいながらも機械から吹き出てくるのは温風であり、さらに天井から水滴が滴り落ちてくるという燦々たる有様だ。

105系広島支社色

広島支社色の105系新造車。30Nリニューアルが施工されている。(広島駅 撮影:kokuden)

105系広島支社色

こちらは103系1000番台からの改造車。種車の顔をそのまま流用している。(広島駅 撮影:ムーチョ)

105系万葉集

2009年12月に登場した日根野区新在家編成のラッピング。(和歌山駅 撮影:大ヒネ103系)

105系青緑色一色塗装

2010年より、整備費用の削減のため各地の車両の塗装を順次一色べた塗りにすることになり、
和歌山地区では青緑色での一色塗装化が開始された。見る角度や明るさによってはスカイブルーにも見える。(橋本駅 撮影:ムーチョ)

105系紀南地区

きのくに線の紀伊田辺〜新宮ではオーシャンブルーに灰色帯のリニューアル車両が運用中。(紀伊新庄〜朝来 撮影:ムーチョ)

105系末期色

広島黄色単色塗装化された編成が登場。サイドビューが総武線を彷彿とさせる。(三滝〜安芸長束 撮影:ムーチョ)

●走行音

・クモハ105-22(普通 可部行き) 古市橋〜緑井 (5min12sec)
…さほど速度を出すわけでもなく無難に走ります。この編成は新造車なので半自動ドア機能がついているのですが、4連を組んでいた併結相手の編成が半自動ドア機能のない4ドア車だったために編成全体で全ドアオープンとなり、これまた非常に寒い・・・。


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