103系通勤型電車

最多製造両数を誇る国鉄通勤型電車の決定版

阪和線103系

103系最後の牙城となった阪和線。減ったといえどもまだ現在も100両余りが在籍する。(山中渓〜紀伊 撮影:ムーチョ)

●基本データ

・最高速度 100km/h
・運用線区・・・・大阪環状線・JRゆめ咲線・阪和線・大和路線・おおさか東線・桜井線・ 和歌山線・奈良線・山陽本線・
播但線・加古川線・呉線
・元運用線区…山手線・中央線・総武線・京葉線・武蔵野線・埼京線・横浜線・常磐線・京浜東北線・仙石線・福知山線・
東海道本線・関西線(JR東海区間)・赤穂線

1963年登場の通勤型電車。山手線に投入されたのを皮切りに全国各地の通勤線区へ進出、北は仙台から南は福岡まで広範囲に渡って投入された。

本来山手線や大阪環状線といった駅間距離の短い路線向きに投入された車両のため、ギアは極端に低速側に振っており、書類上の最高速度は100km/hではあるがせいぜい90km/hちょいしか出ない。そのため、埼京線や常磐快速線に投入された時は新幹線顔負けの爆音を振りまいて性能いっぱいで走っていた。

また、常磐緩行線には地下鉄千代田線乗り入れ用の1000番台が投入されたが、抵抗制御ゆえの発熱の多さにより営団地下鉄(現:東京メトロ)から苦情が殺到、比較的早い段階で203系に置き換えられたエピソードを持っており、番台によっては「失敗作」の烙印を押さざるを得ないものも多い。

1999年からのE231系の大量投入により2006年に関東圏から撤退、仙石線にわずかに4両残った103系も2009年に運用終了となり、JR東日本から103系の営業車両が消滅した。

西日本では依然多数が残存、40Nリニューアルや30Nリニューアルと行った大規模な更新工事が行われて延命された。現在でも阪和線・大阪環状線・大和路線・奈良線などのおなじみの線区に加え、電化された加古川線や播但線、2008年に新規開業したおおさか東線にも投入され、その活動線区は未だに広範囲に渡る。

一風変わっているのが九州の福岡市営地下鉄乗り入れ用の1500番台。1500番台が製造された時には既に首都圏では201系や203系が登場しており、この番台のみは201系ベースの車体で構成され、ブレーキ緩解音などのも201系のそれだ。つまり、「103系の足回りに201系の車体が載った」という解釈で大体間違いない。

103系Hゴム車

先頭部分がHゴムのまま残る車両。関西地区には阪和線に2500番台2両のみ残存。(鳳〜富木 撮影:ムーチョ)

103系阪和線30N

30Nリニューアル車両。ペンチレーター撤去と前面窓の1枚窓化が目立つ。(鶴ヶ丘駅 撮影:ムーチョ)

103系阪和線40N

40Nリニューアル車両。ペンチレーター撤去や側面幕・雨どい・前面窓・方向幕の変更など、改造内容は多岐に渡る。(鳳〜富木 撮影:ムーチョ)

103系大阪環状線30N

低運転台の30Nリニューアル車も大阪環状線に2両のみ存在。2011年に2両ともが阪和線に転属した。(桜ノ宮駅 撮影:ムーチョ)

103系40環状線N

同じく低運転台の40N車。その平坦な顔つきから、ファンには「のっぺらぼう」と呼ばれる。(新今宮駅 撮影:ムーチョ)

103系セサミストリート号

JRゆめ咲線の西九条〜桜島でシャトル運用に就く103系には、40Nリニューアル工事に加えてユニバーサルスタジオジャパンに関連した派手なラッピングが行われていた。2012年にラッピング解除。(西九条〜安治川口 撮影:ムーチョ)

103系ウッドペッカー号

こちらはウッドペッカー号。この編成もラッピング解除済み。(西九条〜安治川口 撮影:ムーチョ)

103系大和路線

大和路線・奈良線・おおさか東線の103系にはウグイス色の車両が用いられる。(三郷駅 撮影:ムーチョ)

103系加古川線

加古川線の103系(3550番台)。40Nリニューアルと先頭車化改造は別施工。(加古川駅 撮影:ムーチョ)

103系加古川線「目のある電車」

加古川線沿線のデザイナー、横尾忠則氏によってデザインされた「目のある電車」。沿線には不評だという。(西脇市駅 撮影:ムーチョ)

103系播但線

播但線用の103系(3500番台)。ワインレッド塗装はこの線区のみ。他の103系40Nリニューアル車と同じような顔つきだが、先頭車化改造車。こちらは先頭車化改造と同時に40Nリニューアルを施工している。(姫路駅 撮影:ムーチョ)

103系播但線「銀の馬車道」ラッピング(黄色)

播但線「銀の馬車道」ラッピング(黄色)編成。(溝口〜福崎 撮影:ムーチョ)

 103系播但線「銀の馬車道」ラッピング(赤色)

播但線「銀の馬車道」ラッピング(赤色)編成。(溝口〜福崎 撮影:ムーチョ)

 103系播但線「銀の馬車道」ラッピング(青色)

播但線「銀の馬車道」ラッピング(青色)編成。(溝口〜福崎 撮影:ムーチョ)

 103系瀬戸内色 

広島運転所所属の車両は瀬戸内色に塗装。写真のB-09編成は日本に最後に残る戸袋窓つきの103系だった。2010年に廃車。
(広島駅 撮影:ムーチョ)

103系瀬戸内色(高運転台)

岡山電車区所属のE-04編成のクハは2005年にJR東日本から譲渡されたもの。最後に残った未更新前面3枚窓の高運転台車だったが、2010年に廃車された。これで未更新の高運転台車は消滅。(広島駅 撮影:ムーチョ)

103系1500番台

JR九州の103系1500番台。福岡市営地下鉄空港線に直通するため、筑肥線はJR九州で唯一の直流電化線区となっている。           (祇園駅(福岡市営地下鉄空港線) 撮影:ムーチョ)

●走行音

・モハ103-408(普通 和泉砂川行き) 三国ヶ丘〜上野芝  ※低音車
…残存する103系はモーターが低音のMT54に換装される車両が多くなっています。

 ★3500番台
・クモハ103-3501(普通 福崎行き) 野里〜仁豊野 ※高音車
…播但線の103系は先頭車化改造を受けた2連のため、2連でも4連でもオールM編成となるため、加速性能が他の103系より少し良くなっています。

・クモハ103-3501(普通 寺前行き) 福崎〜鶴居 ※低音車
…こちらは低音車。全M編成なのでかなりの音です。


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